前回記事のまとめの一番下に書いた、
- 当面の目標は「パワーアップ」でしょう。やっぱり。
を、事業引退ボケで忘れてしまいそうだ。脳が空白になる前に進ませるべく、ちょっと調べた。
日本仕様のバルカン900は41馬力。アメリカ仕様は50馬力。
とりあえず50馬力でもいいか(全然良くないけど)。まずは安易にアメリカ仕様並みを目指そう。
まず、ECUが違う。次にエアクリーナー周りの構造というか、パーツが違う。
多分あとマフラーの構造。このあたりは、パーツリストの違いをピックアップすればすぐわかることだ。でも、これだけかな? と思っていた。
エンジンの味付けでかなり変わるのがカムシャフトだ。リフトやオーバーラップを変えるとエンジンは激変する。出力差が9馬力程度でそこまでやらないかな?
バルブタイミングまで日米で変えられていたら、そもそも根本の設計思想から別物ということになるんで、そこまでやらないだろうが暇に任せて一応調べる。
## まず日本仕様の部品番号を確認
車体の部品リストで確定。
- フロントカム:12044-0097
- リアカム:12044-0098
ふんふん。
で、米国のeBay出品を漁っていたら、こんな番号が出てきた。
- 12044-1503(フロント)
- 12044-1504(リア)
「あれ、違うじゃん」となった。日本と番号が違う=設計が違う、カムまで日米で別物なのか?と色めき立った。
メキメキメキメキ!
落ち着け!
で、
Kawasaki Parts & Accessories | Official Kawasaki Parts House
の カム周り部品を確認した。

| 12044 | CAMSHAFT-VALVE, FR | ~12044-0097~ → 12044-1503|
| 12044A | CAMSHAFT-VALVE, RR | ~12044-0098~ → 12044-1504
取り消し線付きの旧番号 → 新番号。
つまり0097→1503、0098→1504は、日米の仕様差ではなく、アメリカ国内で起きた単なる部品番号の改番(後継品への切り替え)だったようだ。*1
車屋界隈でも「ブバン変更」って言うが、それが行われていた。
疑って損した。 41馬力と50馬力の差を作っているのは、カムではなくECUの燃調・点火マップと、マフラー・触媒による・・・のだろう。
裏を返せば、パワーアップはカムをいじらなくても、ECU書き換えと吸・排気系の変更だけで50馬力はおろか、それ以上にイケる可能性が高い。 900cc もあるんだからね。 比較的ショートストロークエンジンだし。 ショートの方が高回転型なんだぜ〜! w
キャブ時代で言えばビッグキャブに変更という、今より余計に混合気をシリンダーにねじ込むってこと。
で、それはわかった。でもちょっと冷静に考えるとその50馬力を目指す、という低い志、たかが20%のパワーアップに意味はあるのか? とか考え出す。
嫌だねえ、歳を食うといちいち。
立ち止まっちゃったりしてさ。あーヤダヤダ。 でも続く。
・・20%と言っても、400馬力→480馬力とは訳が違う。
41馬力と50馬力はそこまで違いがあるのだろうか?
根源的な問い。バルカンのりの諸兄には悪いが(悪いか?)大した差じゃない。
差は約9馬力。実際走ってみてどのくらい体感できる差なんだろうか。
基本に立ち返ると、バイクを前に進める力駆動力 =
エンジントルク × ギア比 × 最終減速比 ÷ タイヤ半径
エンジントルクとギア比が可変であり、そのほかは固定だ。
「今何回転しているか」でその瞬間の加速力が決まり、馬力は直接関与しない。
馬力(仕事量)が効いてくるのは、「その回転数を維持したまま、どれだけ速く空気抵抗に打ち勝てるか」という場面、つまり高速域だけだ。
カムが共通ということは、低回転域はほぼ共通のセッティングのまま、高回転側だけ引き伸ばして出力を伸ばしている、いわゆる「上だけカットする」規制対応の典型パターンだろう。
日本の排ガス・出力規制対応でよくあるのは、全域ではなく、高負荷・高回転域だけ燃調と点火時期を抑えるやり方。
日本仕様のトルクピークは3,000rpm、米国仕様は3,500〜3,700rpm。
仮説としては、
低速〜中間加速域(発進〜3,000rpm付近まで)は日米でそこまで大きく変わらず、トルクピークを過ぎた先〜高回転にかけて差が開いていく。
「よーいドン」で発進した瞬間はほぼ互角。
シフトアップし、回転が上がっていくにつれて米国仕様がじわじわ前に出て、高速域でその差が最大化する——
まあ、中間加速ももちろん変わってくるだろうが、・・所詮41と50馬力、たかが知れてると言っては何だが、遠からずと言ったとこではないだろうか。
これをどう考えるか。
ここまでグダグダ書いといて言うのもなんだけど、9馬力を追いかけるために、吸排気・ECU + マフラー交換に大金を突っ込む価値はないね。
うるさくなるし。
普段の巡航や街乗り、発進加速では、体感できるほどの差にはならない可能性が高い。体感できるのは「高速で追い越しをかける時に伸びが良くなる」程度かもしれない。
だったら——
その予算をシートやハンドル、グリップヒーター(すごくいいよ!おすすめ)とかリアバッグなど、乗り味や満足感に直結するカスタムに回した方が幸せになれるかも。
そもそも早く走ろうってバイクじゃないでしょ?
あ〜、うんうん、反論もあるだろう、オーナーとしては割り切れない部分があるのは、わかる。よくわかる。俺も自分を納得させてるだけだから。
が、そんなにいうなら選択肢は他にもある。
「新型のバルカンSに乗り換える。」
だめ?
バルカンSは水冷並列2気筒649cc、最高出力61馬力(7,500rpm)というスペックで、そもそも設計の世代が違う。エンジンもコンパクトで取り回しも楽。その上馬力は61馬力だ!
10馬力を必死に絞り出すために旧世代のV型エンジンをいじり倒すより、最初から余裕のある新しいエンジンに乗り換えた方が、コストパフォーマンスも満足度もずっと高い? 身も蓋もない結論。
でもそうなると、そもそも「バルカン」にこだわる必要すらない。
・・とはいえ、バルカン900カスタムの危なっかしいぐらい細いタイヤを含めたフロント周り、アメリカンスタイルとはまた違った、伸びのあるイメージ、それでいて堂々とした車体、を含めたスタイルは、バルカンSでは得られないものでもある。
結局のところ、
・「9馬力のために何十万円もかけてバルカン900を弄る」
・「9馬力どころではない差を求めてバルカンS などに乗り換える」
・「馬力は諦めてバルカン900のまま乗り味とスタイルを楽しむ」か——
おのずと答えは出ているのではないだろうか?
当初、何だかなあ〜と思っていたこいつに、少し愛着が湧いてきてしまった。バイク乗りならあるよね!?
もう暫くはドドドドを楽しもう。
旦那ぁ〜、こんなもんもありまっせ〜 →

*1:ようだ、と書いたのは、実はアメリカ内でもそうだが、ヨーロッパ仕様もあり、それぞれモデルや年式でスペック自体が変わっているから。 例:ヨーロッパ仕様→ 47馬力















